2021年11月1日、サイボウズ製品やサービス紹介するイベント「Cybozu Days Tokyo」が開催されました。
サイボウズOfficeユーザーの活用事例紹介者として、弊社、取締役 隅つばさが登壇させていただきました。
働き方を変えるのは無理だと言われた建設業界で社員一丸で行ったITを使った働き方改革。
サイボウズ代表取締役 青野社長と、ITを利用した未来の働き方について対談しました。

父の会社に転職し、感じた働き方の違和感

電気工事業界は、工事の最後の工程であり、全体の作業状況に左右されやすく長時間労働が発生しやすい、働き方改革から一番遠いと言われている業界です。
私の前職は保険業界ということもあり、働き方改革や、女性の活躍が当たり前の会社でした。
そのため、入社当時は電気工事業界が、違和感でしかありませんでした。
当時は、離職者が絶えず、「この会社はよくならない」と言われたこともありました。私は、これは一刻も早く改善しなければならないと思いました。

まずは問題点の一つである書類の保管方法。当時、紙で管理していた書類を、クラウド化しよう。そうして出会ったのが、サイボウズOfficeでした。
「100人いたら100通りの働き方がある」そんなサイボウズの理念に衝撃を受け、業務のアプリ化を進めようとしたところ、思わぬ問題にぶち当たりました。

父の猛反対「そんなことをしたら会社がひっくり返る」

社長である父に、働き方改革の話を持ち掛けたところ、「建設業に働き方改革は必要ない」と猛反対をされてしまったのです。
その日は眠れないほどのショックを受け、自信を無くしかけました。

その頃、県の働き方改革養成講座で知った、カエル会議(仕事のやり方を変える・早く帰る・人生を変える)で、社員一人一人の意見をヒアリングすることになりました。
社員からの率直な意見を聞けたことで、働き方改革の必要性を確信。そこからあぶり出た問題点を改善することで、離職率を下げることができるのではないかと考えたのです。
主な問題点は5つ。
・コミュニケーション不足
・作業効率の悪さ
・人手不足
・時間外労働
・給与の不満

その後、カエル会議を月に一度に定例化。社員一丸となって、会社全体で労働環境の改善を目指しました。

まずは、毎日の業務日報から。今までは、一枚の紙に全員が順番に日報を記入するため、長蛇の列ができていました。しかし、これでは業務時間外に無駄な待ち時間ができてしまいます。
そこで、サイボウズOfficeのカスタムアプリで業務日報をデジタル化。場所を問わず、それぞれが同時に日報を入力できるので、一気に日報行列による時間外労働の問題解決に成功しました。
また、遠方で働く社員が何をしているのか、作業の進捗状況などがアプリを開くことで簡単に共有できるようになり、コミュニケーション不足による作業効率の悪さも改善しました。

他にも、顧客情報のデジタル化。高齢の社員にも使いやす掲示板による情報共有で、社内の団結力、雰囲気までもを変えることができました。

改革を初めて1年後。「会社がひっくり返った」

改革開始後のカエル会議で、社員から出た意見には、
・コミュニケーションの取りやすさ
・社内の団結力・向上心アップ
・休日の取りやすさ
・給与の満足度
が書いてありました。まさに、1年前に父に言われた「会社がひっくり返る」がいい方向に実現したのです。
1年前に課題だったことは、まったく反対の「会社の良いところ」に変わってしまいました。

他にも大きな改革の一つとして、ウェアラブルカメラの導入があります。
現場で働く社員のヘルメットに付けたカメラで、社内にいる社員に現場の状況を中継することができるようになりました。
現場に行かなくても、社内から指示をすることができるのです。

このように、会社での働き方が変化し、社内外に広がったことで、離職率減少はもちろん。採用活動にも大きく影響しました。
あれだけ人材の確保が難しかったこの業界で、一年で新入社員が8名。そのうち、3名は女性社員。県内では難しいと言われていた新卒採用も実現することができました。

社長に一喝されたあの日から、私自身の一歩。社員みんなの勇気ある一歩で、こんなにも会社を変えることができ、この場で登壇しているなんて一年前には想像もできなかったことです。

サイボウズ代表取締役 青野社長との対談

一年という短時間でここまで変われた理由は?

カエル会議(コミュニケーション)とITを両方使ったことだと思います。カエル会議社員から、課題を出して、今までの古いやり方をサイボウズでIT化し、やりやすくする。ということが両方平行して発進できたことだと思います。

なぜ、勇気を持って社員の不満を聞きとろうと思ったんですか?

もうこれ以上、人が辞めていったら、会社を継ぐ前に会社がなくなっちゃうんじゃないかと思ったから、みんなの想いを聞きたかったんです(笑)

これによって、社員が後ろ向きになったり、対立することはなかったんですか?

いえ、みんな正直に言ってくれたので、前向きに課題をひっくり返すしかないと思いました。

ベテラン社員は84歳とのことですが、今さらITをやらせるなんて、といった声はありませんでしたか?

逆で、84歳の社員がサイボウズのすごさ、使いやすさを一番掴んでいるかもしれません。
時代に合わせて自分も変わらないといけないという姿勢を、アプリを積極的に使用することで若い社員にも見せてくれているんです。

働き方改革に前向きではない社員もいたと思うのですが、そういう方はどうしたのですか?

働き方改革、IT化云々の前に、社長の娘である私の意見は受け入れられないという社員も、もちろんいました。そういう方は残念ながら辞めていかれました。
でも前向きに協力してくれた社員が、どんどん皆に広めていってくれたので、ほとんどの社員がIT化に協力してくれました。
 作業日報も、社員の方の意見を取り入れてすこしずつ改善して今の形になりました。

猛反対しているお父さんをどうやって説得されたんですか?

説得はしていません。公共突破でやったのが事実です。父は現場の職人として、何十年もやってきたので、建設業はトップダウンだと思っているところがあるんです。
でも、時代は変わって若い人が入ってきて、社員の話も聞かないといけないんだよ、っていうことを強行突破で行ってきました。
結果、社内の雰囲気や採用がうまくいったことで、カエル会議とサイボウズはばっちり!と応援してくれています。

働き方改革によって、会社の雰囲気は変わってきましたか?

変わってきました。今までは社長に話もできなかったという社員が、今は電話もできるようになった。ホウレンソウがうまくいくようになったと言っています。
うちの社長は「右向け右」と言ったら、100年でも右を向いておけというタイプなので(笑)その社長が変わったことを認めてくれて、今では社の業務方針に「サイボウズとカエル会議をすること」と書いています。

最後に今後、どこに向かっていこうとしているか、どうなりたいか、夢があれば教えてください。

社員のみんなが家族や友人に、うちの会社で働いていることを自慢したくなるような会社作りをするのが、私の夢です。
うちは公共工事が7~8割を占めているんですが、今後はサイボウズで入札業務の管理もやっていきたいと思っています。
ちょうど始動しはじめたところなので、これを改善していってなぜ落札できたのか、不落だったのかというところのシステム化まで勉強していきたいと思っています。

それはどうやって作っていくんですか?

営業部と話をして、今までホワイトボードや紙でやってきた業務を参考にして、レイアウトして、実際に使ってもらい何が必要か集計しながらやっています。
みんなが使うものなので、私じゃなくてみんなが一番使いやすいものを聞いて作るのが一番だと思っています。

絶対に変わるはずがないと思われていた業界が、ITの導入と勇気ある社員たちの行動で少しずつ変わっていきました。
ずっと受け継がれてきた伝統を変えるのは、とても勇気がいることですが、働く人の意識やチームワークで、変えることができるのかもしれません。


弊社の改革は、一歩踏み出す勇気からはじまりました。